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ice_blog

思ったことを忘れないように、考えたことを思い出せるように

写真彼是

diary
 久しぶりに夜明けを見た。空の端のほうに一筋の青い輪郭が現れて,それが紙に滲む青いインクのようにゆっくりとまわりに広がっていった。それは世界中の青という青を集めて,その中から誰が見ても青というものだけを抜き出してひとつにしたような青だった。

国境の南、太陽の西』 / 村上春樹

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駅に併設している百貨店(今でも百貨店っていうのか分からないけど)で『宙の月光浴』という写真展をやっていたのでいってきた。(4月のことである)

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ポスターを見た時に、そこで使われていたウユニ塩湖の写真がとても綺麗で印象に残っていたので是非とも行きたいと思っていたものだった。(ウユニ塩湖)今までもウユニの写真は何度も見ていて、なぜこうも惹かれるのかと考えていると、非現実的というか非日常的なものを感じるというものがその魅力の根底にあるようにも思えてきた。
 
旅行へ行き、写真を撮ろうと思うのはその場所に魅了されその気持ちを残しておきたい、という思いからかもしれない。
素晴らしい絶景を前にして感動し、景色でも建造物でもこれが作られたとき、当時のひとたちは今見ているものをどういう思いで見ていたのか。そんなことを思って景色を眺め、写真を撮る。
 
旅行を終え、撮った写真を整理すると気づくことがある。その観光地の代表的な風景を綺麗に収めた写真を見てみると、これはポストカードを買ってくるのと何が違うという思いである。
 
対象物に他の観光客が入らないように構えたり、人がいなくなる瞬間を探したり、そういう写真も素晴らしいかもしれない、絶景の一枚かもしれない。しかし、そういう写真こそ誰も見れる、だれでも手に入れられる一枚なのかも、ということを写真を見ながら思った。
 素敵な被写体を完璧な構図で撮りたい、そういうことをしたくて自分はこの地に来たんだっけ...?
 そんなことを思いながら写真を整理していると、その場にいる人が写っている写真が目に止まった。なんでこれを撮ったのかは憶えていないけれど、それは今まで撮ったことのないような写真に思えた。
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そこでは歴史的な建造物さえ一つの背景に見えた。他人がそこにいることを感じさせる写真。何気なく撮った一枚の写真が、人はこの景色とどのように接していたのかを証明しているようにも思えるし、見ず知らずの人たちはこの景色は、このとき確かにそこにあったと述べる証人のようにも思える。
 
冒頭のウユニ塩湖の非現実的、非日常的な写真の撮り方とはだいぶ方向性が異なる。写真の撮り方にしてもさまざまなものがあるものだと、珍しく行ってみた写真展で考えた。