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思ったことを忘れないように、考えたことを思い出せるように

日々の賞味期限

『夜空を見上げることは、宇宙がはじまってから現在に至るまでの歴史を見上げているのと同じなんだってさ。遠くの星の光が地球に届くまでには、何万光年も 何百万光年もかかるだろう。だから遠くの星を見れば見るほど、宇宙の果てというか、はじまりを見ていることになるんだな。』


『満月の夜、モビィ・ディックが』 / 片山恭一
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高校生の頃、『世界の中心で、愛をさけぶ』がとても売れてブームとなって、同じ作家の本を読んでみようと思い読んだのが、『満月の夜、モビィ・ディックが』だった。もう内容は憶えていないけど、それでもなかなか素敵な言葉がたくさんあったのを憶えている。でもそれらは、本当はそんなにすごくなくて、感受性が豊かだと言われる年代にたまたま読んだからか、もしくは初めてだったから素敵に感じただけだったのではないか。そう思うと少しさみしいような切ないような。

なぜいまさらそんな前のことを思い出したのかというと、数日前に読んだ「ある年代の特定の行動で感じる感情の昂ぶりや興奮は、その年代が終わった後に同じ行動をしても特別さは失われている」という内容の文章のせいかもしれない。(『十五歳までにしておくべきこと』/http://d.hatena.ne.jp/kasawo/20100414/p1

 

その特別さを感じる機会は自分が気がつくことなく、日々賞味期限が切れるように失われてしまっているのだろうか。

そう思うと、日々を消耗していくのではなくもっと活動的になるべきなのかも知れないと少し前向きになれるような気がしないでもない。