ice_blog

思ったことを忘れないように、考えたことを思い出せるように

2013-01-01から1年間の記事一覧

純愛適齢期

欲情をそそる度合いで言えば、清純さこそが最も卑猥なのではないか。『九月が永遠に続けば』 / 沼田 まほかる__________________________________________________ 最近ドラマ化された『ハクバノ王子サマ』という漫画を今更読んでみた(刊行は2005年)、沼田…

Like father, like son.

『6年間はパパだったんだよ。出来損ないだけど、パパだったんだよ』ビジネスマンの野々宮良多はある日、6歳になる息子が実は、出生時に病院内で取り違えられた他人の子供だったことを知る。妻のみどり共々大きなショックを受けた良多は、重大な決断を下さな…

The Garden of Words

『27歳のわたしは、15歳の頃の私より少しも賢くない。』 梅雨の季節に日本庭園で出会った、靴職人を目指す少年と歩き方を忘れた女性。彼女が少年に残したのは一篇の万葉集。 『言の葉の庭』 / 新海誠___________________________…

風立ちぬ、いざ生きめやも

かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの…

夏の陽射し

僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど初夏の虫のように 刹那の命はずませ『僕はきっと旅に出る』 / スピッツ________________________________初夏の虫のように刹那の命をはずませて、何年か振りに一人で旅行に出てみた。…

巡礼の夏

そうかもしれない。実は君はずいぶんとつまらない顔をしていて、私の頭がどうかしていたのかもしれない。でも少なくとも十六歳の愚かしい少女にとっては、君は十分ハンサムだったんだよ。君みたいな恋人がいたらどんなに素敵だろうと思った。『色彩を持たな…

記念式典

戦争という,人類がどうしても超脱することのできない悪業を,勝者と敗者でなく,正義と非正義に分けはじめたのはいつ頃からであろう。分けたからといって,戦争が消滅したわけでもないのだが。『ローマ人の物語5-ハンニバル戦記下-』 / 塩野七生___________…

懐かしい歌

切ない恋愛に身を焦がす少女のように命もいらないと思えたなら素敵なのに『可憐』 / OLD______________________________ 高校の頃、このまま寝てしまって良いのかなと思いながらベッドに横になっている時間帯に流れる天気予報…

日々の賞味期限

『夜空を見上げることは、宇宙がはじまってから現在に至るまでの歴史を見上げているのと同じなんだってさ。遠くの星の光が地球に届くまでには、何万光年も 何百万光年もかかるだろう。だから遠くの星を見れば見るほど、宇宙の果てというか、はじまりを見てい…